cjc | 9月号-8
 
clean japan news letter

 
新規資源循環システムの形成に関する調査研究
(日本自転車振興会補助事業)


-事業系飲料・食品容器の回収・リサイクルシステムの現状と今後のあり方-

<調査研究の目的・方法>
  飲料や食品の容器包装材については、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)に基づき収集・リサイクルが行われているが、同法が対象とするのは一般消費者が排出するもの(家庭系)のみであって、事業者が排出するもの(事業系)については、その対象外となっている。
  このため、その排出、回収、処理の状況については、業界団体が独自に調査を行っているものの、未だ十分に解明されていない状況にある。一方、これらについて全国的な調査を行うことは、対象事業者等の多さなど多くの困難を伴う。
  そこで、本調査研究では、東京近郊に所在する適当な自治体として習志野市をモデル都市として選定し、事業者等に対するアンケート調査やヒアリング調査を通じて家庭系及び事業系の飲料容器・食品容器の排出及び回収について全体の流れ(マテリアル・フロー)を把握するとともに、今後の回収・リサイクルシステムのあり方について検討することとした。
  なお、本調査研究の実施に当たっては、(財)クリーン・ジャパン・センターに設置した「新規資源循環システムの形成に関する調査研究検討委員会(委員長:倉阪秀史 千葉大学法経学部総合政策学科助教授)」から多くの貴重な情報、ご意見、ご助言をいただいた。

<モデル都市における飲料・食品の容器包装材に係る
  マテリアル・フロー(推計)>

  調査の結果を踏まえて整理したペットボトルのマテリアル・フロー(推計)を図に示す。年間の排出量915トンに対し、その約18%が可燃ごみなどに混入して焼却処理(ごみ処理施設)され、残り約82%が再資源化されていることがわかる。
ペットボトルのマテリアル・フロー(推計)
  缶、びん及び紙パックについても同様にマテリアル・フロー(推計)を整理しており、年間の排出量及び再資源化割合は次のとおりである。
缶、びん及び紙パックマテリアル・フロー

<飲料・食品の容器包装材の回収・リサイクルに向けた課題など>
(1)びんや缶については、事業系でみても、全体のマテリアル・フローで見ても回収・リサイクルが進んでいること、(2)ペットボトルについては、資源ごみとして回収されてはいるものの、可燃ごみとして焼却処理されている量も少なくないこと、(3)紙パックについては、家庭系のもののリサイクルも十分ではないうえ、事業系のものはほとんど発生していないことから、25%程度のリサイクル比率にとどまっていること、が明らかとなった。
  また、(1)今回モデル都市として選定した習志野市における事業系の容器包装材のリサイクルにとって市の役割が大きいこと、(2)コンビニエンスストアなどの店舗や自動販売機脇に設置されている収集容器が一定の役割を担っているが、家庭ごみや異物の混入などの問題が大きな課題となっていること、などの側面も浮き彫りになった。
  今回の調査研究は、東京近郊のモデル自治体を対象とした調査であり、この結果をもって直ちに全国的な状況を類推することはできないが、それでも重要な情報を提供しているのではないかと考えている。容器包装材のリサイクルに向けた検討の中で資料として活用いただければ幸いである。




クリーン・ジャパン・ニュースレター[No.13]6

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