cjc | 9月号-7

環境配慮型製品市場・製造のグローバル化における生産者の課題
((財)機械振興協会委託事業)

1.調査の背景・目的
 OA機器、自動車及び家電製品などの機械産業における環境・リサイクル配慮型製品の海外展開を踏まえた市場拡大に資することを目的として、グローバル化する海外製造サプライチェーン(特にアジア)に着目し、そのサプライチェーンにおける環境配慮の現状及び今後の方向性に関して調査研究を行いました。
2.調査研究対象物品
 本調査研究では、OA機器(コピー機及びパソコン)、家電製品、自動車を対象製品とし、再生材利用については、これら製品に使われているプラスチック材を取り上げました。
3.調査項目
 製品メーカーからサプライヤーへの環境配慮対応要求事項として以下の3つを取り上げ、また、それらに対するサプライヤーの対応状況を調査し、その結果より抽出された課題を整理しました。
a) EMS構築要求:環境管理システム(EMS)の構築(ISO14001認証取得)要求。
b) 化学物質管理要求:製品使用化学物質の管理を目的とした情報提供要求。
c) 3R配慮設計(特に再生材利用要求):環境配慮製品設計(DfE)への対応要求。
4.調査研究成果
a) EMS構築要求と対応状況
 アジア各国でも海外の日系企業中心にISO14001の認証を取得する企業数は増加傾向にあります。EMS構築は必須条件ではありませんが、それによりサプライヤーの評点が上がる仕組みを導入している企業の例もあり、「企業評価」がEMS構築のインセンティブとして機能していると考えられます。
b) 化学物質管理要求と対応状況
 化学物質管理要求については、RoHSに代表される使用禁止物質や様々な規制物質の使用情報を把握することを目的として実施されています。一般的に、この要求はグリーン調達基準書などの要件の一つとして国内外を問わず取り扱われていますが、サプライヤーにとっては手間とコストがかかるため負担軽減が求められています。また、アジア圏においては信頼性の高い情報が得られない場合もあり、要求側が自ら分析を行う例が多く見られました。従って、アジア各国での化学物質管理においても国内で進められているような統一データベース化を検討する必要があることが分かりました。また、RoHSやWEEEに代表される規制が、対象業界における取り組みの強い推進力(例えば中国版RoHSなど)となっていることが分かりました。
c) 3R配慮設計(特に再生材利用)と対応状況
 一部では再生材利用の動きが見られますが、アジア圏における現状では再生材利用を進める環境にはないと言えます。国内外を問わず再生材利用を成立させる条件は、品質、供給量(回収量)、コストであり、特に海外では、再生材を確保するために製品メーカーを中心とした回収システムの構築が不可欠であることが明らかになりました。
5.環境配慮型製品製造のグローバル化における課題の整理
EMS構築
 現地での対応が容易な簡易版EMSから要求し、徐々にステップアップ(ISO14001認証取得)するシステムが有効と考えられます。
化学物質管理
 アジア圏での化学物質管理を円滑かつ効率化するために、国内での取り組みを参考にしながら化学物質品目の精査や統一フォーマット、統一データベースの採用などを検討することにより対応の負担を軽減し、地場企業の確実な対応を引出し、得られるデータの信頼度を向上させる工夫が求められます。
再生材利用促進
 アジア各国における再生材利用促進のために現地での回収システム構築が必要ではあるが、今後の工業化の進展により、それぞれの国で使用済み製品が回収され原材料化されるような動きが出てくると、アジア圏全体として再生材の供給量が需要量を大きく超える可能性も懸念されています。従って、回収した再生材の多方面での利用を促すような法的枠組みの整備により国内での再生材需要を拡大する方策に加え、バーゼル条約等を踏まえたうえでのアジア圏全体での再生原材料利用を促進するための方策が求められます。




クリーン・ジャパン・ニュースレター [No.9] 7

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