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ウエステック2002

2002年11月26日(火)~11月29日(金)、日本コンベンションセンター・幕張メッセで「ウエステック2002」が開催されました。総出展数:267、総入場者:107,848人となり、廃棄物問題に指標を示し新世紀の進むべき方向を定着させるに相応しい一大イベントとなりました。
 また、恒例のウェステック大賞2002(環境大臣賞1件、部門賞5件、審査委員長特別賞1件)が決定いたしました。
※詳細はこちら⇒http://www.wastec.gr.jp/main.html#
  エコプロダクツ2002

2002年12月5日(木)~7日(土)、東京国際展示場・ビッグサイトで「エコプロダクツ2002」が開催されました。総出展数: 370、総入場者:100,483人となり、さまざまなエコプロダクツ(=地球環境に与える影響を少なくした製品・サービス)を展示し、環境NGO・NPOや行政・自治体、大学・研究機関、そして一般消費者と多くの方がエコプロダクツや環境問題についてコミュニケーションする場を提供しました。
※詳細はこちら⇒http://www.nikkei.co.jp/events/eco/

リサイクル関連開発に従事する研究者・技術者等への研究奨励を目的として、平成8年度に「リサイクル技術開発本多賞」が創設されました。以来回を重ね、平成14年度で7回目の表彰となりました。
「第7回リサイクル技術開発本多賞」は、平成14年7月1日から9月30日までの期間で募集が行われ、計10件の応募がありました(研究報文7件及び技術報文3件)。これらに対し、当センター内に設置された選定委員会において、報文評価、業績評価、推薦者評価を踏まえた厳選なる審査を行いました。その結果、研究報文及び技術報文についてそれぞれ下記の1件が選定され、平成15年1月23日に表彰式が行われました。

【研究報文】
『汚染物のゼロエミッションを実現できる工業技術の提案を目指したユーカリから分離した各成分の有用資源化』

グループ代表者 : 中 村 嘉 利 氏
金沢大学工学部・物質化学工学科
 本研究報文では、水蒸気爆砕によってユーカリから分離された木材構成成分のセルロース、ヘミセルロース、リグニンを無駄なく完全に製品化する有効性について、製品化の効率ばかりでなく環境保全の面から究明しています。すなわち、セルロースからのアルコール、メタンなどの可燃性物質やパルプの製造、ヘミセルロースからの単糖やオリゴ糖の生成、可溶性低分子リグニンからの環境ホルモン作用を持たない樹脂の合成などに関する開発研究を行うとともに、木質物質の適合製品化の工業化に関する環境影響についてもゼロエミッションに基づいて総合的に評価しています。限りある資源の多様かつ高効率なこの製品化技術は、排出物を著しく低減させた工業生産方法の一つとして今後が期待されます。また、近年、土壌や水質浄化のためにヨシやヨウシュヤマゴボウなどの植物性バイオマスを用いたファイトレメディエーションの研究が大変注目されていますが、修復後の植物性バイオマスの有効利用法については未だ成案が無く早急な確立が望まれているのが現状です。
 本報文で提案した資源変換方法は廃材、おがくず、樹皮、竹などの木質系廃棄物ばかりでなく、ファイトレメディエーションに用いられるような草本類のリサイクル有効利用にも適用可能であり、新規グリーンテクノロジー変換技術としても高い評価を得ています。
  【技術報文】
『1,000t/y規模パイロットプラントによる塩ビ樹脂脱塩素技術の検証』

グループ代表者 : 浅 沼 稔 氏
日本鋼管株式会社・総合材料技術研究所
 プラスチックは多種多様な製品に利用されており、その廃棄量は年間約1,000万トンに達しています。廃棄されるプラスチックはその嵩高さから、埋立て用地の逼迫などの種々の問題を引き起こすことが懸念され、容器包装プラスチックの再商品化に関する法律の施行など各種の対応がとられています。また、多種の使用済みプラスチックリサイクル技術が実用化されていますが、プラスチック生産量の17 %を占める塩ビ樹脂については、その処理に伴い発生する塩化水素による設備腐食などの問題から、リサイクルが困難とされています。
 本技術報文は、塩ビ樹脂の高炉へのリサイクルを目的とした1,000t/y規模実証設備による塩化ビニル脱塩素試験に関するものです。プロセスは、外熱式並流型キルンを用い、塩ビ樹脂の凝集などを回避するために粉コークスを混合し、高脱塩素率を達成することを特徴としています。各種塩ビ樹脂の脱塩素試験結果から、処理温度=325℃、滞留時間=30minの条件で、いずれも95 %の脱塩素率が達成され、コークスの混合がキルン内材料の混合および伝熱の面からも極めて効果的であることを明らかにしています。さらに、試験結果を基に10,000t/yの塩ビ樹脂脱塩素プラントの諸元を算出し、実用化の可能性についても言及しています。本プロセスは、使用済み塩ビ樹脂のリサイクルに関して、工業的価値に優れたもので、今後の波及効果も期待されています。


クリーン・ジャパン・ニュースレター No.3 2003.13

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