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 経済産業大臣賞受賞技術の紹介(冷鉄源溶解炉におけるタイヤチップ使用技術の確立)

 平成14年度資源循環技術システム表彰において経済産業大臣賞を受賞した技術を以下に紹介します。

 新日本製鐵株式会社広畑製鐵所(兵庫県)では、廃タイヤを製鉄の原・燃料として有効利用する技術を確立し、従来にない大規模なタイヤリサイクルを実施しました。その主な特長は以下のとおりです。
①従来、1事業所でリサイクルできる廃タイヤの量は、最大2,000t/月程度であったが、本方式では6,500t/月(=78,000t/年。我が国における廃タイヤリサイクル総量の7%に相当)という大量のタイヤをリサイクルできる。
②タイヤの鉄分を製鉄原料として有効利用できる。同製鐵所では年間約100万tの銑鉄を生産しているが、このうち約1万tをタイヤの鉄分から生産している。
③タイヤを利用して生産した銑鉄から自動車用鋼板を製造することにより、自動車関連廃棄物の循環型リサイクルシステムを構築した。
 タイヤは、鉄源となるスチールコードを含む、発熱量が高い、灰分が少なくスラグの発生を削減できる、等の利点がある一方、硫黄分が多い、揮発分を含むため炉内爆発や溶解炉の能率低下を招く恐れがある、等の問題点があり製鉄に用いることは困難でした。同製鐵所では、脱硫能力の向上、爆発防止のための密封機構、炉内の燃焼制御技術等の開発によりこれらの課題をクリアし、タイヤの製鉄利用を実現しました。
 我が国では年間106万tもの廃タイヤが発生しており、その適正処理とリサイクル推進が課題になっています。
こうした状況において、製鉄メーカーがタイヤの製鉄原・燃料としての有利性に着目し、種々の技術的課題を克服し、従来にない大規模なタイヤリサイクルを実現したことは、我が国におけるタイヤの適正処理及びリサイクルの推進に大きく寄与するものであり、高く評価されます。



クリーン・ジャパン・ニュースレター No.4 2003.56

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