cjc | 4月号-2
 
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CJCトピックス
CJCサブトピックス
  リサイクル技術開発本多賞は、長年廃棄物リサイクルの分野に携わってこられた故本多淳裕先生(元大阪市立大学工学部教授、元(財)クリーン・ジャパン・センター参与)のご厚意に基づき、リサイクル技術開発に従事する研究者・技術者等への研究奨励を目的として平成8年度に創設されたものです。
 平成20年度リサイクル技術開発本多賞には、研究報文2件と技術報文10件の計12件の応募があり、その中から下記の技術報文2件が選定されました。平成21年1月28日(水)、阪急ターミナルビル(大阪)で表彰式が行われました。受賞報文の概要は以下の通りです。
「ハイボリュームフライアッシュコンクリートの日本での実用化に向けて」
                     齊藤 直  (株)エネルギア・エコ・マテリア 技術部
  諸外国において、フライアッシュは混和材料として幅広く一般的に活用されています。特に、欧米を中心にフライアッシュでセメント量の30%を超える置換を行うハイボリュームフライアッシュ(High Volume Fly Ash)コンクリートが既に実用化され、ダムや道路舗装等の分野で活用されており、その活用領域も広がりつつあります。一方で、日本国内におけるフライアッシュの混和材利用は、ダムコンクリート等の現場バッチャープラントを対象とした一部の用途を除いて混和材利用は普及しておらず、その使用量もJIS R 5213(フライアッシュセメント)の規格値からC種30%以下(実質20%以下)の利用に限定されているのが実態です。
  本論文内容は、これまでの通念を打破するために、フライアッシュの持つ材料特性(ASR環境下や高密度環境下での強度増進、流動性改善等)を最大限引き出したコンクリートの開発を進めたものです。この結果、トンネル覆工コンクリート・吹付けコンクリート・海洋コンクリート・転圧コンクリート等の各分野に活用できる大量のフライアッシュを配合したコンクリートを実用化すると共に、中国地方のコンクリート製造場所への技術支援・フライアッシュ供給体制の構築に向けて努力してきた結果、これらの技術が実用化するに至っています。また、ライフサイクルコストの観点から、欧米で展開されているハイボリュームフライアッシュコンクリートの日本への導入の有意性を紹介しており、今後フライアッシュが広く大量に活用されることが期待されています。

「一貫製鐵所におけるゼロエミッション体制の確立
                    - 水処理スラッジリサイクル技術開発」

  渡辺 秀美(グループ応募代表者)
      新日本製鐵(株) 名古屋製鐵所 エネルギー・資源化推進部 資源化推進グループ
  高炉を有する一貫製鐵所では年間数百万tの副生物が発生し、そのほとんどがリサイクルされているものの、スラッジ特に水処理スラッジは高水分、高亜鉛、高クロム他のためリサイクルが困難で埋立て処理となっていた。これらの課題に対して、総排水量数千m3/hの水処理設備の鉄系排水、鉄・亜鉛・クロム系排水の系統分離、新高密度脱水技術実用化、千数百度の溶銑予備処理炉を活用したメッキスラッジリサイクル技術開発・実用化により、業界初の冷延メッキスラッジの完全リサイクル技術を確立したものです。
  また、厳格化する排水基準特にフッ素基準に対応するため、これまで薬剤添加量増加で対応しておりその結果多量の水処理スラッジを発生させていた。これに対し従来知見を覆す新たな水処理メカニズムを解明し、それに基づくNaOHによる新水処理基本技術を開発した。さらにはその技術の実用化に際し、スラッジの一部を返送、塩酸と反応させ無害なニガリ(MgCl2)に変えて減容化、処理水フッ素濃度に応じたNaOHの比例注入制御化によるスラッジ発生抑制といった実用化技術もあわせて開発した。本開発技術は所内15万kw級石炭焚発電所において実用化し、その成果を継続発揮している。
  これらの両技術とも鉄鋼業界、電力業界他の環境・リサイクル技術として有益な技術であり、今後の波及効果も期待され最終処分場延命にも貢献しうる。

環境学習会in東京
  当センターでは、昨年11月の「環境学習会 in 大阪」に続き、2月21日(土)に東京農工大学府中キャンパスで開催された「環境学習会 in 東京」(主催:全国大学生活協同組合連合会環境活動推進委員会)に参加しました(経済産業省委託事業「事業者による3R教育推進システム実態調査」の一環)。
  この学習会は、環境問題に関心のある大学生を対象に、環境活動を始めるきっかけを掴んでもらう目的で開催されたもので、当日は「3R」、「地球温暖化」、「グリーン購入」の各分野について、関係省庁・団体・NPO・学識者による発表が行われた後、参加者と発表者を交えて活発なグループ・ディスカッションが行われました。
  この中で当センターは、大学生の環境・3R学習に役立つ各種ツールや情報提供サービスを紹介。また会場内の展示コーナーでは、容器包装リサイクル教材、身近な製品のリサイクルについて解説した展示パネル、環境リサイクル情報CD-ROM等の学習ツールの展示・配布を行い、参加者の関心を集めました。
環境学習会in東京写真
容器包装リサイクル教材とパネルの展示

平成20年JICA集団研修
  現在、当センターでは、平成21年度「資源循環技術・システム表彰」の募集を実施しています。
  廃棄物の発生抑制(リデュース)、使用済み物品の再使用(リユース)、及び再生資源の有効利用(リサイクル)に資する優れた事業や取組みを行っている企業・事業団体におかれましては奮ってご応募願います。
  表彰の種類は、経済産業大臣賞、産業技術環境局長賞、(財)クリーン・ジャパン・センター会長賞、奨励賞を予定しています。
  締切りは4月20日(月)必着となっております。
  応募要領は当センターホームページからダウンロード(MS-Word)できますので、取組みの内容に応じた申請書の様式としてご利用下さい。

アドレス(URL):http://www.cjc.or.jp/modules/news/article.php?storyid=187

 掲載されている項目は、次の通りです。
  ・資源循環技術・システム表彰 応募要領本文
  ・資源循環技術・システム表彰 申請書及び申請概要書

締切り迫る!(申請書)
 様式1 再生資源の有効利用
 様式2 使用済み物品の再使用事業
 様式3 副産物・廃棄物の発生・排出抑制
 様式4 再生利用又は再使用技術・装置・システムの開発事業
 様式5 資源循環型製品の開発・普及
(申請概要書)
 様式6 申請概要書

  ・受賞事例一覧(~平成20年度)


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