レアメタルリサイクル/産業環境管理協会/資源・リサイクル促進センター

(一社)産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター

タンタル Ta

国内消費量(2015年) 435トン
鉱石生産国(2014年) ①ルワンダ(50%)、②コンゴ民主共和国(17%)、③ブラジル(8%)
輸入国(2010年) ①ドイツ(34%)、②中国(33%)、③エストニア(15%)
国内主要用途 コンデンサ

(ⅰ)需給動向

2014年の世界タンタル鉱石生産量はモザンビーク、ブルンジでの生産が減少したものの、エチオピアで増加したことにより、前年比103%の 1,200t であった。
主な生産国はルワンダ、コンゴ民主共和国、ブラジル、モザンビーク等であり、4 か国で世界生産量の約 80%を占める。
タンタルは、DR コンゴ及びその周辺国の生産が多いことから、紛争鉱物の対象となっている。米国では、2010 年に コンゴ民主共和国及びその周辺国で生産される紛争鉱物(錫、タンタル、タングステン、金)の使用の有無を調査し、情報公開義務を課すドッド・フランク法第 1502 条が可決された。2012年には SEC(米国証券取引委員会)により開示内容に関する最終規則が承認され、SEC 登録企業は自社の紛争鉱物の使用の有無について確認し、調査結果を SEC に報告・開示することが義務付けられた。2013年から本格化した対応により、現在ではサプライチェーンの関係者に広く浸透してきた。他の紛争鉱物である錫、タングステン、金に先駆けて紛争地域からの紛争鉱物調達の排除に取り組んできた結果であり、EICC(Electric Industry Code of Conduct:電子業界行動規範)の CFS(Conflict Free Smelter)プログラムの枠組みの中で、すでに多くのサプライヤーが CFSの認証取得を完了しているとされている。(出典:JOGMEC 鉱物資源マテリアルフロー 2015) 

(ⅱ)使用済みレアメタル含有製品の排出量

国内需要量は、タンタルコンデンサーを搭載する電気電子機器の需要は堅調に推移すると見込まれていることから、タンタルの需要についても引き続き堅調に推移することが見込まれる。。

タンタル含有製品の排出見通し

タンタル含有製品の排出見通しv2

 タンタルのリサイクルによるポテンシャル

タンタルのリサイクルによるポテンシャル700x411by600

(ⅲ)技術開発動向

使用済電子基板から電子素子を剥離し、剥離した電子素子からタンタルコンデンサーを選別濃縮する前処理技術については、個々の要素技術は開発されているものの、電子基板の種類等によって電子素子が剥離しにくい場合があるほか、処理プロセス全体の最適化が図られていない。また、使用済電気電子機器等から電子基板を選別回収する技術が開発されていない。一方、使用済タンタルコンデンサーからタンタルを回収する後処理技術は実用化されている。

(参考:産構審、中環審合同会合 レアメタルリサイクル中間取りまとめ H24.9)

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