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資源総合利用計画報告書 
兵庫県における廃棄物系バイオマスからの
メタン・メタノール・水素生成利用システム(日本自転車振興会補助事業)

 政府は平成14年7月に「バイオマス・ニッポン総合戦略骨子」を発表し、具体的な総合戦略を策定することとなりました。当センターではこのような状況のもとに、地域特性を生かした表記調査を大阪大学大学院工学研究科の盛岡通教授を委員長とする学識経験者、研究者、企業および兵庫県幹部からなる委員会を設け実施しました。
 本調査ではこれまでに各所で検討されたバイオマス利用に関する調査報告書を検証し、現状における制約や課題を抽出するとともに、中長期的な視点に立って、これらの制約・課題を解決する方向を示し、兵庫県における地域特性を勘案したモデル事業の検討を行いました。

[図1. 兵庫県の地域別発生源別エネルギー量]

1. バイオマス課題の整理
 バイオマス発生源(原料)については効率的で安価な収集体制や分別排出の徹底など、バイオマス変換技術については変換効率の高い先進技術の開発、さらに製品バイオマスの経済性と規制および税制からの支援などの課題を解析整理しました。

2. 兵庫県バイオマスの地域特性
 図1のようにバイオマス発生量は阪神・播磨地区および淡路島(特に玉葱残渣)に集中している。また、都市部と過疎地域とは種類にも大幅に差異があります。

3. 短期的取り組みモデル
 淡路島三原郡の玉葱・牛糞尿組み合わせ処理について、処理量100トン/日、メタン醗酵+ガスエンジン組み合わせによる310kW発電(30%)、1,070Gcal/年熱供給(50%)のモデルケースの経済性を検証。また、西播磨地区における工業型大規模バイオマスエネルギーセンター構想についても検討しました。て、海上輸送による建設廃材を原料とし480トン/日規模の高効率ガスタービンによるコジェネレーションを採用した30MW規模の発電設備のケースについて検討しました。


4. 中長期的取り組み
 前述の淡路島モデルケースに原料の複合化によるガス発生量の増加、他地域への展開を含めた検討を行うとともに、前述の西播磨地区モデルケースについて、海上輸送による建設廃材を原料とし480トン/日規模の高効率ガスタービンによるコジェネレーションを採用した30MW規模の発電設備のケースについて検討しました。

 以上の検討により、兵庫県では中期的には50Km圏のバイオマスエネルギーセンター設立で電力・熱の併給の可能性があり、長期的には海上輸送などによる建設廃材をも利用した工業型大規模エネルギーセンター構想実現のための詳細な検討が望まれるとの結論を得ました。


■再資源化技術開発事業

○実証プラント事業(自主事業)
・石炭灰の造粒化(平成13年度採択国庫補助事業)

○循環型製品・システム市場化開発調査 (経済産業省委託事業)


■調査・研究事業
(1) 廃棄物減量化のための社会システムの評価に関する調査研究
建設発生木材における循環型社会システムのあり方に関する調査研究(日本自転車振興会補助事業)
(2) 資源総合利用計画調査
製鉄所を活用した廃石膏ボード再資源化のための収集・運搬システム構築計画(日本自転車振興会補助事業)
(3) 使用済製品の自主回収システムの構築支援
太陽光発電システムのリユース事業システムの調査研究(日本自転車振興会補助事業)
(4) 循環型社会システム動向調査
平成15年度産業廃棄物(鉱業廃棄物)・有価発生物の動向調査(経済産業省委託事業)
(5) 特定家庭用機器等再商品化調査
電気電子機器廃棄物リサイクルに係る先導的知見の調査(経済産業省委託事業)
(6) 環境配慮型製品市場・製造のグローバル化における生産者の課題(機械振興協会委託事業)
 

クリーン・ジャパン・ニュースレター No.6 2003.116

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