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世界の食料ロス

世界の飢餓状況(2014年~2016年)

下の地図は国連が作成した世界の飢餓状況を表した世界地図で、各国の総人口に対する飢餓人口の割合を5段階に色分けしたもの(ハンガーマップ)です。

濃い赤色で示された国では全人口の35 %以上が栄養不足で、黄緑色に分類された国には、飢えている人はほとんどいません。

ハンガーマップ

イラスト

※この地図は2014年から2016年の段階における、各国の総人口に対する栄養不足人口の割合示している。

※この指標は、国民から無作為に一人を抽出した場合に、その人が活動的で健康的な生活を送るために必要なエネルギー量を、食事から摂取できない確立を示している。

(出典:WFP「世界の飢餓状況2014」)

飢餓の状況を人口別にみると、以下のようになります。

世界の飢餓状況:地域別栄養不足人口 2014-2016年(暫定推定値)

グラフ

※スーダンの数値を含む。2011年に南スーダンが独立したことにより、スーダンのデータはサハラ以南アフリカの数値には含まれていない

(出典:(公社)国際農林業協働協会「世界の食料不安の現状2015年報告」より作成)

ふきだし

世界の栄養不足の人口は、南アジア、サハラ以南アフリカ地域で全体の63 %も占めている。

世界の食品ロス・廃棄の発生原因比較(先進国、発展途上国)

世界ではなぜ食料ロス・廃棄が出ているのでしょうか?

国連食糧農業機関(FAO)によると、世界で人間が食べる目的で生産された食料のうち、農場から加工場、市場、小売業者、飲食店、家庭の台所へと流通していく間に3分の1、重量にして約13億tの量が毎年廃棄されているそうです。また、食品ロス・廃棄は発展途上国と先進国では以下のような違いがあるようです。

フロー図

(出典:(公社)国際農林業協働協会「世界の食料ロスと食料廃棄」より作成)

地域別食品ロス・廃棄の1人当たりの発生量

地域別にみると、ヨーロッパと北アメリカでは、1人当たり280~300 kg/年であるのに対し、サハラ以南アフリカと南・東南アジアでは120~170 kg/年となっています。

グラフ

(出典:(公社)国際農林業協働協会「世界の食料ロスと食料廃棄」)

ふきだし

サハラ以南アフリカと南・東南アジア地域は貧困が多い地域だったね。
消費段階での食品ロス・廃棄の1人当たりの発生量はヨーロッパや北アメリカ・オセアニア地域と比べて約1/10 だ。

地域別食品ロス・廃棄の発生段階

穀物

ヨーロッパや北アメリカ等は、消費者段階でのロスが最も大きく、穀物の食料廃棄総量の40~50 %を占める。また、南・東南アジアでは、流通や消費段階に比べて、農業生産と収穫後の取扱および貯蔵の段階で食品のロスが多くなっています。

グラフ

(出典:(公社)国際農林業協働協会「世界の食料ロスと食料廃棄」)

ふきだし

南アジア、サハラ以南アフリカ地域で全体の63 %も占めている。

野菜

ヨーロッパや北アメリカ等は、消費者段階でのロスが最も大きく、穀物の食料廃棄総量の40~50 %を占める。また、南・東南アジアでは、流通や消費段階に比べて、農業生産と収穫後の取扱および貯蔵の段階で食品のロスが多くなっています。

グラフ

(出典:(公社)国際農林業協働協会「世界の食料ロスと食料廃棄」)

肉

肉類の消費が多く、先進国のヨーロッパや北アメリカ等は、家畜生産段階では食品ロスや廃棄が非常に少なく、消費者段階が多くなっています

一方、途上国が多いサハラ以南アフリカでは、家畜の生産段階で食品ロスや廃棄が最も多く、消費段階では非常に少なくなっています。国際連合食糧農業機関(FAO)によると、これは、家畜の飼育中に頻繁に発生する疾病(例えば、肺炎、消化器疾病および寄生虫)に起因する家畜の高い死亡率が起因しているということです。

グラフ

(出典:(公社)国際農林業協働協会「世界の食料ロスと食料廃棄」)

ふきだし

サハラ以南アフリカでは市場に届く前に多くが無駄になっている。
ハンガーマップでみると、この地域は貧困が多い地域だ。

2030年までに世界の食品廃棄物を半減へ

2015年、国連は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」において、2030年までに食料廃棄物を半減するなど、食料の損失・廃棄の削減を目標に設定しました。

持続可能な開発目標(SDGs)

イラスト

上記の「12. 持続可能な消費と生産」に、食品廃棄物に関する目標も掲げられています。

  • 2030年までに小売・消費レベルでの世界全体の一人当たりの食品の廃棄を半減(12.3)
  • 2020年までに化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するた め、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。(12.4)
  • 2030年までに廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。(12.5)