アルミ二次精錬プロセス活用によるパソコンのハードディスク(HDD)からのネオジム磁石回収(若宮商事株式会社)
当社はアルミ二次合金精錬メーカーとして、月産1000t(最大)の能力を持っている。
その溶解技術と現有設備を活用して平成19年4月からパソコンのHDDからアルミ二次合金を製造している。
本事業では、まず通常のアルミ二次精錬プロセスにおいて、HDDを溶解してアルミを溶解分離し、回転溶解炉内に残った残渣からネオジム磁石を回収している。
ネオジム磁石が脱磁とメッキ剥離もされた状態で回収でき、また既存設備を利用しているので追加コストもほとんど掛からない回収の仕組みを構築することができた。
なお、本工程では、HDD内のアルミの溶解によりHDDに書き込まれた情報を完全に抹消するとともに、合わ せてアルミ、ステンレス、鉄などの金属材料のほぼ完全なリサイクルも実現した。
従来のHDDのリサイクル方法に比べ優れている点は、①各部品の融点温度の違いを利用した溶解による分離、②100%確実なメモリー抹消、③磁石の脱磁、④磁石のメッキ剥離、が同時に達成できる四位一体プロセスであることである。
また、既存設備及び既存ノウハウの活用により、追加の設備投資を必要としなかったことも利点である。